作るといいことあるの?
きちんとした就業規則を作ると、まず、御社が10人以上の人を雇っている会社だった場合、法的な義務を果たしたことになります。
でもそれだけではない、利点があります。
まずひとつとして……
労働者とのトラブルを回避するツール、トラブルが起きた場合に会社を守る働きをします。
たとえば、「見直しポイント」にも書きましたが、就業規則に定められた事由以外で、会社は従業員を解雇することができません。たとえば、飲酒運転をして逮捕された従業員はクビにしたい、と社長が思っていても、就業規則にそう定めていない限り、解雇は無効になってしまうのです(ただし、書いたからといって、必ずしも解雇が成立するわけではありませんので注意が必要です。従業員を解雇するということは、想像以上に難しいです)。
また、不当な請求をされた場合も、「就業規則にこう書いてあるから」と、会社を防衛することができます。就業規則というのは、御社を守る「法」になるわけです。
第2のメリットとして……
御社が他の要件を満たし、助成金をもらえるようになり、その申請をしたとします。そのとき、就業規則や賃金台帳、労働者名簿など、法律で義務づけられている書類が会社にしっかり備わっているか、必ずチェックされます。
特に、育児休業をする社員が出たときなど、様々な助成金がもらえますが、就業規則に育児休業自体を定義した文章がないと、条件を満たさないことになってしまいます。
第3のメリットとして……
労働基準監督署が、ときどき抜き打ちで会社をチェックしに来ることがあります。
そのときにまずチェックされるのが就業規則です。10人以上従業員がいるのに就業規則を作って提出していないと、その後のチェックがかなり厳しくなります。
就業規則だけあればいいという話ではありませんが、まず、最低限、就業規則は作って、提出しておくと良いです。10人以上の従業員がいるのに就業規則を提出していないとなると、監督官の心象はかなり悪くなってしまうでしょう。
第4のメリットとして……
就業規則を作ったり、直したりするときには、従業員の意見書が必要です。従業員の意見を聴くというのを面倒だと捕らえることもできますが、ポジティブに考えれば、就業規則を従業員に見せる機会というのは、社長の想いを従業員に伝える機会でもあります。
社長と従業員の想いをすりあわせることにより、会社の成長する方向性が明確になります。
あまり意識されることはないのですが、私はこれが一番大きなメリットなのではないかと思っています。