アクティブ・リスニング

「聴く」のなかには
「パッシブ(受動的)・リスニング」と「アクティブ(積極的)・リスニング」があります。
ということで、前回は「パッシブ・リスニング」について書きました。
(ただ頷いて人の話を聞こう、というくらいの内容ですしたが)

今回はもう一つの「アクティブ・リスニング」についてです。

アクティブとは言っても、あくまで「リスニング」なので、相手の話を聴くことに徹するということは代わりません。
ただ、より積極的に、相手の話を引き出すというイメージでとらえるといいでしょう。

アクティブ・リスニングの定義は、人によって少しずつ違っているかもしれませんが、私が先生から教わったのは、

1,繰り返す
2,まとめる
3,心を汲む

の3つです。

パッシブのときと同じように、「相手の言うことを否定せず、受容する」ということを基礎にしつつ、相手により「分かってもらえた」という気持ちを抱いてもらい、さらにつっこんだところまで話をしてもらおう、ということです。

このとき意外と重要なのが、「否定しない」というのと同時に、「賛成もしない」ということです。

たとえば
「Aさんが、○○と言ってきて、腹が立つ」
とBさんに言われたとき、
「そうだよね。Aさんはむかつくよね」
と言ってしまっては、2人でAさんの悪口を言っているだけです。

この場合は、
「Aさんに○○と言われて、腹が立ったんだね」
と、事実と相手の感情をくみ取り、返します。

短い文章の場合は、ただ繰り返すだけですが、Bさんの言葉がとても長かった場合は、上手く要約して、言葉を返します。

たとえば、
「始業時間の十分前には来て、掃除をするように決まっているのに、Aさんはいつもぎりぎりに来て、結局私達だけで掃除をすることになって、なんか損している気分」
などとBさんが言ったら、
「Aさんが掃除をしてくれないので、不公平だと感じているんだね」
と返すわけです。

この「繰り返し」と「まとめ」は何のためにするのかというと、もし自分の理解が間違っていたら、相手がその時点で訂正できるからです。
もしBさんの言いたいことと自分の思っていたことが違っていたら、
「掃除が、というより、ただルールを守らないってことが社会人としてどうかと思うの」
などと、訂正してくれるでしょう。
そして、とらえ方が正しければ、Bさんは、分かってもらえた、という気持ちになって、
「そうなの。それにね」
などと更に話を進めてくれるはずです。
そして、一緒になって悪口を言い合うのではなく、こちらはあくまで聴く側として距離を置いて話をしていると、不満を言い続けたBさんは、吐き出した時点で、意外とすっきりして、
「でも、私も、思っているなら、直接Aさんに言ってみてもいいのよね」
などと、自分で解決策を思いついたりします。


ただ、これは練習してみると分かりますが、慣れるまでかなり難しいです。
なぜなら、普段、私達は結構適当に人の話を聞いているからです。
相手の言ったことを要約するのも、相手の気持ちを性格にとらえるのも、意識しないとなかなかできません。
でも、だからこそ、そういう対応ができれば、相手に「聞いてもらえている」「分かってもらえている」という安心感を与えることができるわけです。

私は最近、人との関係を良いものにすることが、人生を幸せにする最短距離なのではないかと感じています。

皆さんも良ければ試してみてください。
初めはちょっと、話し方、聴き方がぎこちなくなってしまうかもしれませんが、でもそれこそ、意識して変わろうとしている証拠です。