残業代対策5

4つめの方法は、
「みなし労働時間制」を採用するということです。
みなし労働時間制というのは、実際に働いている労働時間と関係なく、一定の条件を満たす場合、あらかじめ決められた時間労働したものと「みなす」ようにできる制度です。
所定時間労働したこととみなすという協定を結び、みなし労働時間制を使うための条件をきちんと守ることができれば、残業代は発生しなくなります。


「みなし労働時間制」には3種類あります。

1,事業場外労働に関するみなし労働時間制
2,専門業務型裁量労働制
3,企画業務型裁量労働制


たとえば「1」は、外回りをして、そのまま直帰することの多い営業マンなどに向いています。
労働時間を把握しづらいので、時間より多く働いても、少なく働いても、一定時間(基本的には所定労働時間)働いたと「みなす」というものです。
ただ、これは、あくまで「労働時間を把握できない」というのが条件になりますので、たとえ外回りが多い営業マンであっても、仕事の途中や終わったときにこまめに携帯で連絡を取るように決められている場合などは使うことができません。

「2」と「3」は両方とも、専門的な仕事を行うホワイトカラーに有効な制度です。
「2」は、時間よりも成果物の質などが重視される研究開発・デザインなどの仕事を行う会社や部署で使うことができます。
「3」は企画・立案・調査・分析の業務であって、個人の裁量にゆだねられている仕事の場合、使うことができます。
ただ、「2」や「3」は、使える業務が限られていることと、手続きがやや煩雑なので、あまり採用している企業は多くないというのが実情です。

3つの制度とも採用するときには、「就業規則に定めること」が必要になります。
それにプラスして、「1」は、場合によっては「労使協定を結び、提出する」ことが必要になります。
「2」は必ず「労使協定を結び、提出する」ことが必要です。
「3」は「労使委員会」を組織し、そこで5分の4以上の多数で決議し、さらに労働基準監督署長に届ける必要があります。

「3」はかなり煩雑ですが、それでも、条件に当てはまる従業員が、毎日のように残業していて、そのために残業代がかさんでいるというようでしたら、導入を検討してもよいかもしれません。

(ただ、上記のような場合、まずは残業をもっと減らすことはできないのか、検討する義務が会社にはあるでしょう。みなし労働時間制を採用しても、従業員が過労死などをした場合、会社は責任を逃れられません)